私が、マクロビオティック※を知る前は、“水あめ”と聞くと、駄菓子やお祭りの屋台の食べ物のイメージでした。
料理やお菓子づくりに、砂糖と同じように使える“米水飴”との出会いは、まさに衝撃的。
サトウキビからつくられる“砂糖”が煮物などの家庭料理の甘味付けには、ほんの少量でも強すぎるように感じていた時でもありました。
最初は、恐る恐る“米水飴”を使い始めたものの、すぐに違和感なく味付けの名脇役へ。
ほんの少し“米水飴”を足すことで、料理のコクが増すことがわかると、パンやお菓子づくりなどに使う幅がだんだんと広がっていきました。
“米水飴”はお米からつくられます。
良く知っている身近な食べ物が原材料であることも大きな安心感です。
素材それぞれの味わいを引き出し、尖ったカドが無いように上手にまとめてくれる甘味。
静かな掛け算の可能性があります。
※マクロビオティック=主に玄米、全粒粉を主食とし、豆類、野菜、海草類、塩から組み立てられた食事、調理法
水飴は、単糖類の代表であるグラニュー糖と異なり、たんぱく質・リン・鉄分・カルシウム・ビタミンなどの栄養素を豊富に含みます。
砂糖は吸収が早い分、急激に血糖値を上げ、その反動ですぐにまた下げてしまいます。
一方、水飴は、ゆるやかに吸収・消化されますので、体に負担をかけません。
また、麦芽にはジアスターゼ(消化酵素)が含まれているので、消化不良や食欲不振を改善する働きがあるといわれ、健康維持や病後の体力回復に古くから愛用されています。
お菓子づくりに使用したりパンに塗ったり、飲み物に入れたりと、砂糖の代わりにお使いいただけます。
また、ミトクの米水飴と玄米水飴は、お米を麦芽で糖化させるという伝統的な製法で造られています。
300gの米水飴、玄米水飴には、米・玄米がおおよそ375g~460gが使用されています。
マクロビオティック商品を販売するにあたり、砂糖に代わる甘味料をさがしていて、伝統的な製法で造っている水飴屋さんにたどりつきました。
海外のマクロビオティックを取り入れている方々には、知る人ぞ知る商品です。時々、海外のVIPや名だたるホテルが名指しで商品を購入したいと言ってこられたりもします。
製造元の内田糖化株式会社の代表者である内田智久氏に、製品づくりのポイントをお聞きしました。
・米・玄米の産地が広島・岡山県産である
・糖化に大麦麦芽を用いて昔ながらの伝統的な造り方をしている
・イオン交換や活性炭濾過(注1)などはせず、布で圧力をかけて搾っている
・ミネラル、アミノ酸等が含まれ、うま味になっている
そして、製品の最大の特徴については、
「真空濃縮や減圧濃縮(注2)ではなく、100℃以上の温度をかけて、釜でゆっくり煮詰めていく方法をとっています。色も濃くなりますが、コクがあり、香ばしい風味のある美味しい水飴になると考えております。」とのことでした。
*注1:イオン交換(ミネラル分除去)や活性濾過(微量成分除去)を行うと精製されて色も味も淡泊なものになる。
*注2:真空、減圧濃縮を行うと、沸点が下がるため(約60℃)低温で水分を飛ばすことができる。コストも作業時間も短縮になる。ただし、色も風味も深みのないあっさりとしたものになる。