スペインといえば、ガウディの未完作品である大聖堂 サグラダ・ファミリア、サッカーチームのFCバルセロナ、民族芸能のフラメンコ、食でいうとイベリコ豚、パエリア、タパス、ピンチョスなどでしょうか。
カフェや飲食店を指すバール(BAR/バル)もすっかり日本に浸透しています。
また、アルコールがお好きな方には、シャンパン(シャンパーニュ)と同じ伝統的製法で造られるスペイン産のスパークリングワイン“CAVA(カヴァ)”も、とても人気があります。
赤ワインに果物やハーブ、スパイスなどを入れて作るサングリアも一般的に知られるようになりました。
国際ブドウ・ブドウ酒機構(OIV)が発表した統計によると、スペインのワイン生産量は、イタリア、フランスに続き世界第3位。
スペインワインは、生産量だけでなく輸出量も多く、世界中で愛されている理由の一つは、厳しい品質管理による信頼度の高さと考えられます。
EUワイン法を基本に、他の欧州諸国に比べてやや細かく定められたスペインワインの品質分類は、主に以下のとおりです。
【EUワイン法】
「地理的表示付きのワイン」と「地理的表示のないワイン」
「地理的表示付きのワイン」はさらに、AOP(原産地呼称保護)と IGP(地理的表示保護)に分類される。
【スペインワイン法】
AOP(原産地呼称保護)=スペインでは DOP(Denominacion de Origen Protegida)
DOPワインには、次の2段階がある。
DO = Denominacion de Origen(原産地呼称)
DOCa = Denominacion de Origen Calificada(特選原産地呼称)
一番上のVPは、畑の指定であり、地域の格付けとしてはピラミッドの2番目の「DOCa」が最高となる。
今回ご紹介する新発売のスペインオーガニックワインMonte Acuro(モンテアクロ)は、高級ワインで有名なスペイン北部、リオハ産。
白1種、赤2種全てが最上級の「特選原産地呼称」(DOCa)に認定されています。
<モンテアクロ>テンプラニーリョ2019は、ワインガイド誌、ワイン誌を発行しているGilbert Gaillardが主催している「International challenge部門」で金賞を授賞しました!
https://jp.gilbertgaillard.com/qui-sommes-nous
【Tempranillo(テンプラニーリョ)】
スペイン・リオハ地方を代表する赤ワインの固有品種。
「早熟」という意味を持ち、比較的早い9月中旬頃に収穫されます。
繊細で華やかな香りを持ち、タンニンも滑らかで、酸味も感じられるのが特徴。スペインの高級ワインのほとんどが、この品種を原料としています。
【 Viura(ビウラ)】
短期間でフレッシュな状態でも、また長期熟成にも耐えうる白ワイン/スパークリングワイン等の固定品種。
産地によって、かんきつ類の果実の香り、花やハーブの香りのあるものから、ミネラルな印象を与えるものまで幅が広いのが特徴。
緑がかった麦わら色で、しっかりと酸味もあります。
Terroir(テロワール)という言葉を耳にしたことのある方も多いと思われます。
「土地」を意味するフランス語terreから派生した言葉で、ワイン、コーヒー、お茶などの品種おいて、使用、表現されることが多いです。
生育地の地理や地勢、気候、土壌による特徴を指し、その土地特有の性格を与えるといわれています。
また、一種類のブドウから造られるワインを単一ワイン、数種のブドウを混合して造られるワインがブレンドワインと呼ばれています。
私が、単一ワインを初めて意識し、魅力を感じたのは、オーストリアの白ブドウ固定品種“グリューナーヴェルトリーナー” に出会った時でした。
一種類のブドウだからこそ、わかりやすくダイレクトにその土地、テロワールを感じることができる感覚は、思いもよらない心地よさがありました。
どこか懐かしくて、新しくて、よそよそしいような、親しみやすいような、なんとも言えない味わいだったことを覚えています。
先にご説明したMonte Acuro(モンテアクロ)オーガニックワインを口にした時も、まさに同じような感覚でした。
黒ブドウのテンプラニーリョ、白ブドウのビウラ。
それらが育つ土地の様子。
収穫に始まり、樽熟成、静かに安定の時を経て、瓶詰め、そしてスペインから日本へ。
イメージを馳せることで、何倍も美味しく味わい深いです
Monte(モンテ)は、山を意味し、Acuro(アクロ)は「高度」、「頂上」、「先端」を意味する“Acro”から由来しています。
実際には、実在しない想像上の山ですが、ブランド名“Monte Acuro”に、ワイン畑が位置する高度をイメージしていただきたいと、表現することにしました。
ワイン畑は、海抜400~550mの高地にあります。
この高度によって昼夜の温度差が大きくなり、ブドウには適度なストレスが与えられます。
ストレスと聞くとなんだか良くないように聞こえますが、このストレスによって、数が少なくなるものの、厳選されたブドウの実だけが生育し、濃度が格段にアップします。
また、高度が高いので、熟成がゆっくり進むことで、味に深みと豊潤さをもたらしてくれます。
ラベルに使われている写真は、すべてブドウ畑の写真です。
ビウラ:葉の写真
テンプラニーリョ:ブドウ畑の土の写真
テンプラニーリョ レセルバ:樹幹の写真
また、ラベルの中心には“M”の文字があしらわれています。
“M”は黒の文字になっていますが、この黒い色は「無」を表しています。
駆除剤、除草剤不使用、という意味の「無」です。
BODEGAS DEL MEDEVO(ボデガス・デル・メディエボ)社は、リオハの土地で古くからブドウ栽培とワインの釀造に携わってきた6つの家族によって、2002年に設立されました。
代々大切に育ててきたブドウ畑と醸造の知識を基に、リオハの伝統的な高品質ワインと、希少なブドウを使った特別なワインを生産しています。
Aldeanueva de Ebro(アルデアヌエバ・テ・エプロ)の標高450m ~ 600mの地点に所有する150haの自社畑は、石灰粘土質の土壌で、ブドウの栽培にとても適しています。
黒ブドウは、テンプラニーリョを始め、ガルナチャやグラシアーノを栽培しており、グラシアーノの栽培では、リオハにおける最も重要な生産者として知られています。
白ブドウは、ビウラ、ヴェルデホ、シャルドネの他、世界でも非常に珍しい、テンプラニーリョ・プランコを栽培しています。
長年に渡る経験、生産者の弛まぬ努力と探求心力が、希少価値の高い品種の栽培を可能にし、これらのブドウから造られるワインは、市場でもとても高い評価を得るようになりました。
また、8haの有機畑を有し、100 %有機栽培にこだわったワインも生産しています。
先人から受け継がれてきた自然の手法に忠実に、丹精を込めて造り上げています。
受賞歴
Cofrade : Rioja Young Wine Competition金賞
Medievo Crianza: 2018年Logroño Rotary Clubワイン大賞
Medievo Reserva: Berlin Wine Trophy金賞、Asia Wine Trophy金賞
Tempranillo Blanco: Guía Peñín 91ポイント
Tuercebotas Graciano: Guía Peñín 91ポイント、Meininger 94ポイント
Tuercebotas Garnacha: Concours Mondial Bruxelles Grand Goメダル など多数
きっかけは、弊社が扱っている“クロップ”グラノラの担当者からの紹介でした。
その担当者は、前職で高級グロッサリーのバイヤーをしており、ワインについてもとても詳しくこだわりがある人物。
以降、日本での販売に向けてやり取りする中で、ミトクの企業理念や想いに共感していただき、販売が実現いたしました。
皆さま、いかがだったでしょうか?
目の前にある一本のワインが、とても貴重なものに感じます。
スペインリオハという土地の歴史と風土によってブドウが作られ、収穫され、昔ながらの醸造工程を経て瓶詰めされ、海を渡り、今、ここにいる私たちの手元に届きました。
スペインのロマンと心意気を感じるワインをぜひお試しください。
ワイナリーへのインタビュー編はこちらからどうぞ。