国産有機醤油 濃口

コラム担当プロフィール
中石真由子
一般社団法人日本ビオホテル協会(BHJ)理事、オーガニックアドバイザー。
長年、不動産業界に在籍し、2008年のリーマンショックをきっかけに、オーガニックの世界へ転向。
2013年にBHJを立ち上げ、BIO=オーガニックでサスティナブルなライフスタイルを日本に普及させるための活動を展開中。
BIO HOTELS JAPAN

香ばしい香りの醤油に出会った

足立醸造さんの国産有機醤油 濃口は、蓋を開けるたびに、香ばしい香り。
お醤油なのに、香ばしい。
これだけで十分、料理が美味しくなりそうな予感が一気に高まります。

初めの開栓時には、ぽんっと良い音がします。
瓶内で、まだ酵母が生きていて、しっかり熟成されていたことが確認できてうれしくなります。
※ビンの上部の注ぎ口は、小さなくちばしのようになっています。
液滴れしにくい設計で、ちょっとうれしいです。

どの家庭でも、昔から身近に、当たり前のようにあるお醤油。
日常に馴染みすぎて、「どれもそれほど変わらないだろう」、「いつも同じメーカーさんのものを使っています」、あるいは「何を選んだらいいかわからない」という方がほとんどかもしれません。

口に含んで飲み干せるか?

10年前、私が体質改善のために食事を変えようと、まず最初に行ったのが、調味料を天然のものに変えることでした。
食品棚や冷蔵庫にある調味料を全て処分し、丁寧に造られたものに買い直すこと。

塩、醤油、味噌、油、ドレッシング。
まだ使えるのに、たくさん残っているのにもったいないなあと、とても抵抗がありましたが、思い切って実行したことを覚えています。
そして、さらに、自分に合う天然のもの、丁寧に造られたものを見極めるために、ティースプーン1杯の量を口に含み、飲み干せるかどうか?をテストしたりもしました。

塩辛いだけではなく、深い奥行きのある調味料に出会うことは、料理を一緒に作り上げる“伴奏者”を見つけるようなもの。
今でも時々、このような味の確認を行っています。

[足立醸造]国産有機醤油 濃口のご紹介

[足立醸造]国産有機醤油 濃口 900ml 詳しくはこちら

1896年に創業した足立醸造。
国産の有機大豆、有機小麦、天日塩を使用し、ゆっくり熟成させた国産有機醤油は、奥播州加美の山里、稲田の中の蔵で二夏を越し、芳醇な香りとうまみのある味わい。
国産有機原料のみを使い、100年以上の歴史を持つ吉野杉の木樽で仕込んだ濃厚な醤油は大変希少です。

900ml 1,426円(税込)
200ml 518円(税込)
原材料:有機大豆(国産)、有機小麦、食塩

足立醸造国産有機醤油 濃口の使い方とその魅力

1.醤油を主役にしてみる

大豆から作られる醤油そのものを味わうには、なんといっても、お豆腐、冷やっこ。
同じ大豆を原材料とするもの同士の静かな掛け算の味わいです。
ある統計で、絹ごし豆腐を好まれる方が7割だそうですが、久しぶりに木綿豆腐を味わってみるのもおすすめですよ。
有機醤油の旨味で、どっしりとした大豆の甘味が引き立ちます。

★木綿豆腐を使った冷やっこのコツ
包丁を使わず、手でちぎるようにすると、表面積が増えて醤油を残さずキャッチ。
見た目にも、食感に変化も出て、食べやすくなります。
2.仕上げのソースのように垂らして
卵焼きや焼き野菜、焼き魚、お肉のソテーには、仕上げのソースのように、スプーンで垂らして。
有機醤油の香り高さが広がります。
3.隠し味として
餃子やハンバーグなどの具材合わせの隠し味として。
私は、カレーの仕上げには、必ずお醤油を入れます。
野菜や肉、シーフードなどの具材と、ルーやスパイスをバランスよく調和させて、コクと深みを追加してくれる役割です。
4.煮切ってつかう

上質な調味料を掛け合わせて、手軽にさっと使える煮切り醤油として。
お刺身や焼き野菜、炊き込みご飯などに重宝します。
(つくり方)醤油3:料理酒1:みりん1

ミトクで取り扱いを始めた背景

ミトクが、有機醤油を海外(主にヨーロッパ)に輸出することになったことがきっかけです。
醤油のことを英語にすると、「soy sauce(ソイソース)」(大豆の調味ソースという意味)。
昨今のお寿司ブームやラーメン人気で、醤油も一般的になり、今では、「shoyu(しょうゆ)」と言えば、きちんと通じるようになりました。
日本の基礎調味料が、世界に羽ばたき、食生活の中に浸透しつつあると思うと、なんだかとてもうれしい気持ちです。

現地訪問エピソード(有機JAS認証の監査で訪問したミトク社員にインタビュー)

足立醸造さんは、姫路駅からは車で1時間半くらいの場所にあります。
夏は暑く、冬は雪が降るほどの寒さの気候風土。
多可町という場所は、昔から播州織という繊維で栄えた町で、今も播州織の製品がたくさんあるそうです。
訪問したその当時、時期は、晩夏の頃。
田んぼに囲まれた自然豊かな場所には、トンボがたくさん飛んでいたのが印象的でした。

2012年に新工場を建設されたため、設備も新しく、全体的にゆったりとした工場の印象を受けました。
工場で一番驚くのは、木桶です。

昔ながらの木桶で醤油を熟成しているのはもちろん、古くからの木桶に加え、新工場の建設と同時に新たな吉野杉の木桶(高さ4m、直径3m、24,000Lのもろみを貯蔵できるらしい)6本が新調され、蔵の中を所狭しと並んでいます。
古い木桶の上に登ってみると、その新桶の高さを圧倒的に感じました。

厳選された原材料と手間を惜しまない職人さんの技術、歴史ある樽の力と気候風土。
寒暖の激しい奥播州の四季、2年の歳月を経て、ようやく私たちの手元に届く足立醸造さんの国産有機醤油 濃口。
「よくぞ、ここまで来てくれた」と手を合わさずにはいられません。

いつもの料理をさらに美味しく、そして、これまでのお醤油の概念を変えてくれる新しい発見があるはずです。

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