コロナの影響もあって、ここ半年ほどで、自宅で料理をする人が増えてきたそうです。
調理器具をそろえたり、基礎調味料にこだわったり、基本のレシピを参考にさまざまな料理にチャレンジしたりする経験は、身近な日常の楽しみの一つとして確立されつつあります。
私は、毎日の生活の中で、献立を考え、料理をしていると、ふと、「料理」について意味を再確認したくなって辞書を引くことがあります。
1. 材料に手を加えて食べ物をこしらえること。また、その食べ物。調理。「野菜を料理する」「郷土料理」
2. 物事をうまく処理すること。
料理は、つまり、理(ことわり)を料る(はかる)こと。
物ごとの筋道を立てて考え、取り計らうこと。
単に食べるためだけの目的ではなく、頭や身体全体を働かせる行動なのだと改めて実感することができます。
小学生の頃、年に一度遊びに行くのを楽しみにしていた親戚の家。
叔母さんの手料理がとても美味しくて、どこか洗練された味でした。
子どもながらに、どうしてもその秘密が知りたくて、ある時、台所にいる叔母さんに気が付かれないように、そっとのぞいてみました。
すると、そこには“料理酒”と書かれた茶色の瓶。
叔母さんが鍋の蓋を開けると、煮物の湯気が上がって、ふわっとよい香りが漂いました。
今となっては、とても懐かしい料理酒のエピソードです。
料理酒は、「入れても入れなくても変わらないのでは?」と思っている方が多い調味料かもしれません。
料理酒には、主に次のような役割があり、味の決まり方を大きく左右します。
和食では、広い意味で日本酒、また洋食の世界ではワインが、料理酒として位置付けられます。
今までの料理に、料理酒というアイテムを取り入れるだけで、いつもの料理がワンランク上の本格的な味わいに仕上がります。
※料理酒の中には、糖類や塩などの調味料が加えられている製品もあります。
加減を間違えると味付けが濃くなってしまったり、思うような出来上がりにならなかったりするので、料理酒を選ぶ際には注意が必要です。
慶応元年(1865年)創業の福島県矢吹町にある酒蔵 大木代吉本店が手がける料理専用の純米酒。
昔ながらの丁寧な手作業で作られています。
しっかりとした旨みと香りは、素材の持ち味を引き出す力がとても強く、一度使うと手放せなくないというファンが多いのも納得です。
※穀類・野菜・魚介類・肉類の持ち味を引出す効果がありますので、調理過程の早い段階でご利用ください。
私は、切り干し大根の炊き込みご飯を作ってみました。
調味料は、醤油と塩、みりん、料理酒。下ごしらえは、2分ほど。
そういえば、ハワイで飲食店を営む知人が話していました。
「日本人の舌、味覚、繊細な料理は、みんなのあこがれ。とても貴重です。」
“こんにちは 料理酒”のラベルを見ていたら、その時の会話を思い出しました。
普段、意識しない当たり前のことが、別の角度から見ると、大きな価値と映ります。
私たちの身の回りにある大切に守っていきたいこと。
見直してみると、たくさんあるはずです。
“こんにちは 料理酒”で、はじめましての料理をぜひ。
食への感謝と挨拶が、日常を豊かに幸福に彩ってくれるはずです。