私は、フルーツを手軽に楽しむ方法の一つとして、朝食のパンやヨーグルトに、ジャムなどの加工品をよく添えています。
栄養価を考えて、皮ごと、丸ごと全部の発想も取り入れると、できればオーガニック、また、糖分を気にすれば、砂糖を控えたもの、そして添加物の入っていないものを選択します。
最近では、一般的なジャムのほかに、“コンフィチュール”や“スプレッド”という言葉も浸透し始め、広がりを見せています。
皆さんはこの4つの違いをご存じでしょうか?
ジャム(jam)は、「ぎゅうぎゅうに詰め込むこと」という英語が語源です。
酸とペクチンの力によって凝固した形状で、「(ゼリー化した)果実に砂糖を加えて煮詰めた保存食品」のことを指します。
英語のプリザーブ(preserve)は、「保存すること」、「保存食品、缶詰、瓶詰」。
ジャムよりも果物の原形をとどめているものを、特に「プリザーブ(プレザーブ)」と言います。
フランス語のコンフィ(confit)は、元々、「食材の風味をよくして保存性を上げるための砂糖や油などに食品を浸した調理技術」のことです。
果実を煮詰めて作るジャムに対して「コンフィチュール」は、砂糖で果汁を浸出させ、果汁だけを煮詰めた後に果肉を漬ける昔ながらの製法で、フルーツの形状がかなり残されているものを言います。
フルーツだけではなく、野菜やナッツを香辛料やハーブ、リキュールなどを加えて仕上げたものも多く見かけます。
スプレッド(spread)は、英語で「広げる」、「延ばす」という意味。
転じて、パンやクラッカーなどに塗る「塗りもの」のことを指します。
なお、日本農林規格(JAS)では、ジャム類の定義を「果実、野菜又は花弁(以下「果実等」と総称する。)を砂糖類、糖アルコール又は蜂蜜とともにゼリー化するようになるまで加熱したもの」としていますので、砂糖を使用していないものを「スプレッド」と呼んでいます。
今回ご紹介するのは、フルーツを使った[アビィ・サンフェルム]有機スプレッドです。
3種に共通する特徴
・砂糖・保存料・着色料不使用。どんな果物でも、ひたすら煮詰めればジャムやスプレッドになるわけではありません。
適度なペクチン、糖分、酸が備わっていることが重要になります。
ペクチンを添加せずに作るジャムは、砂糖をたくさん加えてとろみを出します。
※ペクチンとは?
果物や野菜などに含まれる多糖類で、水溶性食物繊維の一種。
果物の種類によって含有量は異なり、多いととろみがつきやすく、少ないととろみがつきにくくなります。
[アビィ・サンフェルム]のスプレッドは、フルーツ本来の甘さを生かした味。
砂糖を一切使わず、グレープとレモンの果汁で甘みを調整し、リンゴ由来のペクチンで仕上げています。
ふたを開けると、いちご本来の香りと自然な感じの暗い赤色。
果実がゴロゴロと入ったものではなく、全体的にほどよい柔らかさでつぶされ、パンやクラッカーに塗りやすいです。
いちごの他にグレープの果汁が入ることで、いちご&グレープの風味も感じます。
ふたを開けた瞬間に、なんて濃厚な色!と驚きます。
生のブルーベリーとは違った凝縮した味わいがあります。
欧米では、ブルーベリージャム+赤ワイン、バルサミコ酢などでソースを作り、お肉と合わせる食べ方も一般的です。
フランスでは、糖度55度以上のオレンジジャムを“マーマレード”と呼ぶそうですが、このアビィ・サンフェルムのオレンジスプレッドの糖度は36.5度。
いわゆる“マーマレード”ではありません。
私の個人的な一押しは、この有機オレンジスプレッドです。
酸味と甘み、苦味のバランスがなんとも言えません。
オリーブオイルと塩、お酢と合わせて、フルーツドレッシングをつくり、ベビーリーフと和える食べ方もお気に入りです。
ワインで有名なフランス ボルドーから程近いアキテーヌ地域に実在する修道院に由来します。
https://fr.wikipedia.org/wiki/Abbaye_de_Saint-Ferme
有機スプレッドは、この修道院の近隣にある製造工場で作られています。
もちろん、まわりは一面のブドウ畑!
(昨年10月に、MITOKU担当者がメーカー訪問し、修道院に立ち寄った時の写真)
何を隠そう、おすすめの食べ方は、実は、そのまま!
大きめのスプーンにたっぷりとって、口の中へ。
(保存料が入っていませんので、必ず、清潔なスプーンで)
エレガントではありませんが、この食べ方が本来の味を楽しむことができます。
フルーツを食べたいけれど、安全安心なものが手に入りにくい時におすすめです。
また、私は、よく手土産やちょっとしたプレゼントに使います。
食パンブームもあって、皆さんに喜ばれますし、クラッカーやチーズと一緒にお渡しすると、ちょっとしたおつまみに重宝していただけます。
お渡しする時には、美味しさ以外に、ちょっとした話題として、心を動かす要素として下記の4つの情報もお伝えしています。
1. オーガニックであること
2. 砂糖不使用なのに十分に甘い!
3. そのまま食べても美味しい
4. フランスの修道院の近隣で作られている!
これからの湿度の高い時期、フルーツの酸味と甘みを上手に取り入れた食生活は、体調管理と気持ちのリフレッシュに一役買ってくれます。
今秋には、新商品2種を発売予定だそうです。
今から、楽しみです。